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さようなら、アンディ

 

2000年、スイス・チューリッヒのハレン競技場。対戦相手はミルコ“クロコップ”フィリポビッチ。司会が「アンディ勝利」と「これがアンディ・フグの最後の試合」であることを告げた。そしてアンディはマイクを握り、観客に向かって言った。

『皆さん、こんにちは! 私がリングに立つのも今日が最後となりました。今日の試合も素晴らしいものだったと思います。私はいつでも皆さんに自分のベストを観てもらいたかったし、いつでも心からベストを尽くしてきました。トップクラスとはどういうものか、K-1とは何かを観てもらいたいと思っていました。特に、多くの練習を必要とする最もハードなスポーツのひとつですから。今夜の試合では全ての選手が本当にベストを尽くしました。皆さんの大きな拍手に恥じないものだったと思います』

 

試合に勝った者、敗れた者、そして全ての観客の気持ちから、割れんばかりの拍手が沸き起こった。アンディはその拍手が鳴り止むのを待って、そして再びマイクを握った。

 

『特別にお礼を言いたい人がいます。イローナ…私にとってはとても大切な人。無名の頃からずっと私を支え続けてくれた。この勝利はイローナに捧げたい。本当にいつも側にいて支えてくれたのだから、この勝利はイローナのものです。イローナ、本当にありがとう!』 リングサイドシートに座っていたイローナは、しばらくの間、涙を止めるができなかった。

会場内で本物の花火が上がった。最後の一発が上がると、アンディは観客に感謝の気持ちをを表した。

司会がマイクを握ると、『皆さん、このリングから偉大なる伝説へ、偉大なる格闘家へ、偉大なる人物へ、さよならを言う時がきてしまいました。アンディは素晴らしいお客様に会えて、そして私達はアンディとともにこの素晴らしい瞬間を共有できました!』と言い、アンディに別れを告げた。選手全員がステージに上がり、エルカン・アキがその中央に現れて強く鍛えられた声で賛美歌を歌った。会場はアンディ最後の試合にふさわしい彼の歌声で満たされ、終演を告げた。 静かに立ち上がって上を向いたアンディの顔はまるでヘラクレスの彫刻のようだった。その時アンディは、家族、ファン、友人、そして対戦相手への感謝の気持ちが込み上げ、そして格闘家としてここまで来たことを誇りに感じていた。 この2ヶ月後、別の、真の別れがくることなど誰も想像できなかった。
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